飲食店スタッフの離職率が高い原因を踏まえた上で離職率を下げる具体案を考える
2023年2月15日更新
労働生産人口の低下で、
なかなかスタッフを採用できない
状況となっています。
そのためスタッフ不足で悩んでいる
飲食店も多く存在します。
中には、
あまりのスタッフ不足で開店できず、
閉店している飲食店もあります。
スタッフ不足で悩んでいるあなたの為に、
スタッフ不足を解消するポイントである
スタッフの離職率を下げる方法をお伝えします。
目次
飲食業界の離職率の現状
実際に飲食業界の離職率は、
本当に高いのでしょうか?
実際のデータから見てみましょう。
厚生労働省発表の資料から、
平成30年度にアルバイトとして採用された者
のち1年以内に離職した割合は26.4%でした。
これは全業種の数字であり、
「宿泊・飲食サービス業」い限れば、
33.6%と高水準なことがわかります。
実に1年以内に3人に1人は離職してしまう
という計算です。
なぜ飲食業界の離職率は高いのでしょうか?
飲食業界の離職率が高い理由
飲食業界の離職率が高い理由は
実に多く存在します。
その中でも、
実際の私の経験や様々なネットアンケート
の結果を踏まえてまとめました。
採用時と話が違う
面接の時の話の内容と比べ、
実際に働くと話が違うという
いわゆるミスマッチがあります。
・有給が取れない
・休みが取れない
・教えてもらえない
など募集内容や面接やオリエンテーション時に
言っていたことと全然違うことです。
人を採用したいばかりに、
募集広告や面接時に良いことばかりアピールし、
結果としてスタッフの不満を起こすのです。
逆に人がいないことで、
人いないから誰でも採用しろ!
のような考えでも起こります。
当然離職の原因となります。
人間関係の問題
どこの業界でも辞める理由の上位に入る
のが人間関係です。
上司や一緒に働く同僚に対して、
不満を持ち離職の原因となります。
参考サイト
アルバイトの継続期間調査
エン・ジャパン様ユーザーアンケートより
教育制度が整っていない
人件費が多くかけられない
=教育にも多く多くかけられない
という業界的な考え方があります。
また慢性的な人手不足のため、
なかなかスタッフ教育にかける時間がなくて、
ついつい新人スタッフを放置してしまいます。
「教育制度充実」
「未経験者は懇切丁寧に教えます」
とは字ばかりで、
実際にお店で働くと教育どころか、
いきなり一人でやらされる。
そのような扱いならば、
特に入ったばかりのスタッフは不安に感じ、
離職の原因となります。
覚えることが多すぎる
- オーダー用語
- 接客の基本
- メニューの名前
- ドリンクの作り方
- バッシングの仕方
- 提供の仕方
- 会計の仕方
などなど飲食店は覚えることだらけです。
覚えが悪いと思いこんでしまい、
私には向いていないと感じることで、
離職の原因となります。
評価がオーナーのさじ加減になっている
一生懸命働いたら、
昇給や昇格してほしいと思うのは、
当たり前のことです。
ワンマンオーナーのお店に多い傾向として、
昇給や昇格がオーナーのさじ加減になって
いるお店があります。
誰が見ても納得する
昇給や昇格の基準がなければ、
離職の原因となります。
離職率の計算方法
離職率が高いかどうかを
数値として把握していく必要
があります。
人によって算出方法は違いますが、
私の算出方法は以下の方法です。
離職率
= 3ヶ月後に残っている人数 ÷ 採用数
ここでなぜ3ヶ月なのかと
疑問を持つ方がいることでしょう。
そのわけは私の飲食店経験上、
スタッフの離職のタイミングは、
3日、3ヶ月、3年であるからです。
この3ヶ月は、
短期的な離職率を測る上で役立つ
数値だと思っております。
つまり、
採用したスタッフが定着度合い
=お店に対する満足度がわかる
からです。
更に上記に加えて、
お店の現状の雰囲気が良いかどうかの
判断材料として1年後も計算していました。
計算するタイミングとしては、
アルバイトスタッフが大幅に入れ替わる
3月末です。
離職率
= 現在の在籍数 ÷ (前年同時期の在籍数 + 今期の採用数)
離職率が10%以内になることを目標
としていました。
また定期的に、
採用数、退職者数、在籍数を
記録することも大切ですよ。
離職率を改善する方法
では上記の離職する理由を鑑みて、
離職を防ぐ具体的な方法を考えて
みましょう。
働く理由を明確にする
まず離職率を下げるのに大切なのは、
スタッフがあなたのお店で働く意味を
明確にすることです。
この働く意味が
時給が良いからなら、
近くに時給が良い店ができれば移動します。
働くことが他のお店ではなく、
あなたのお店でなくてはならない理由
何でしょうか?
これがなければ、
容易に離職してしまいます。
面接時やオリエンテーション時はもちろん、
定期的な面談で強化してあげましょう。
また採用するスタッフの基準ではなく、
採用しないスタッフの基準を作りましょう。
この基準を作ることで、
その後の離職率も改善されます。
参照記事
受け入れ体制を整える
受け入れ時に
ロッカーがない
名札がない
ユニフォームがない
なんてことがあれば、
スタッフは大切にされていないと感じ
離職してしまいます。
以前の記事でも触れたように、
初回から3日目までの受け入れ体制が
スタッフ定着を左右します。
育成カリキュラムと評価システムの充実
1日目に何をやって覚えて、
2日目に何をやって覚えて…
何ができるようになったら新人卒業
という育成カリキュラムがあると、
スタッフの課題が明確になります。
また評価システムを作ることで、
昇給昇格の基準ができ、
私的な昇給昇格を防ぐことができます。
またオーダーシステムや
教育システムのTeachbizなどを
活用しましょう。
活用することで、
覚える量を少なくして覚えるスピードを
早めることができますよ。
常にスタッフを観察する
経営者であるあなたが
スタッフがやったことをほめる
ことが大切です。
ほめるためには、
日頃スタッフがやっていることを
観察して気づく必要があります。
ところがこのほめること。
案外できていない経営者や店長が
多いのが現状です。
もしほめることが苦手なら、
サンキューカードを活用するのも
1つの方法です。
また日頃のコミュニケーションも大切です。
コミュニケーションというと、
飲み会や全体ミーティングを想像する
方も多くいます。
ちょっとした言葉のやり取りで良いのです。
スタッフの退出時に声をかけましょう。
意識しましょう。
そんなことの積み重ねで、
スタッフは自分のことを話してくれる
ようになりますよ。
従業員満足度の向上を図る
顧客満足度ならぬ、
従業員満足度=ES
って聞いてことありますか?
働いているカフェに満足というより、
誇りを持って周りに自慢してくれる
ことが大切だと思っています。
そのためには、
スタッフがあなたのカフェで働く意味
は最重要です。
またスタッフがあなたのカフェから
必要とされていると感じていること
も大切です。
スタッフの離職率を下げ、
定着率をアップするために、
あなたのカフェでは何をしますか?
この記事を書いている人
- コーヒー好き、カフェ好きの趣味が高じてカフェコンサルタントを始めて7年になります。このブログを読んだカフェ関係者が「これやってみよう」と思えるような売上アップや教育法を発信しております。簡単な質問は無料で対応しております^^
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