カフェの損益分岐点の計算方法をわかりやすく解説
2023年10月11日更新
「カフェの利益が出ないんです」
「カフェ経営って儲からないですよね」
「損益分岐点を知る方法教えてください」
コンサルティングをしていて、
受ける質問たちです。
もちろん、
カフェ経営を続けていくためには、
儲かる=利益を出し続けなければ、
なりません。
売上はあっても利益が出ていないなら、
カフェは維持できません。
今回の記事では、
カフェで儲かるための基準売上である
損益分岐点について解説します。
損益分岐点について解説している
どこのページよりもやさしく・詳しく
解説しますので最後までお読みください。
目次
カフェの損益分岐点の計算方法
損益分岐点
飲食店を経営していれば、
聞いたことがある言葉でしょう。
損益分岐点とは、
カフェが設ける=利益を出すための
基準の売上高と言っても良いでしょう。
つまり、
この損益分岐点の売上高を越さないと
正直利益を出すのは難しいのです。
この損益分岐点の売上高を知っておく
ことが利益を出すためには指標になる
のは明らかです。
損益分岐点の売上の出し方を
やさしく解説します。
損益分岐点を出す前に知っておく数値
売上 ー 必要経費 = 利益
という上記の数式はわかりますよね?
必要経費にも2種類あります。
それが固定費と変動費です。
必要経費 = 固定費 + 変動費
固定費は売上の大小に関係なく、
かかってくる一定の経費のこと
を指します。
極端な話、
お店を営業していなくても、
必ずかかってくる費用です。
家賃、固定資産税、リース料、減価償却費
保険、銀行への返済などが相当します。
一方で、
売上に応じてその額が増えたり減ったり
するのが変動費です。
原価、人件費、水道光熱費、販促費
などを指します。
特に原価と人件費を二大変動費と言い、
この2つをいかにコントロールできるか
が店長の手腕が問われるところです。
損益分岐点は赤字か黒字の境目
利益、売上、必要経費を大小を
グラフ化したものが以下のもの
になります。
![損益分岐点](https://cafeouen.com/wp-content/uploads/2022/12/51d6742ace44df10073b25d9762374eb-1.jpg)
図が示すように、
売上が0でも固定費はかかります。
売上が増えていくに連れ、
変動費も正比例して増えます。
図が示すように、
売上 < 必要経費 (固定費 + 変動費)
の状態である
真ん中赤の点線より左側は赤字
の状態です。
逆に
売上 > 必要経費 (固定費 + 変動費)
の状態である
真ん中赤の点線より右側は黒字
になります。
この図をしっかり頭に入れた上で、
今度は自分のカフェのことを計算
してみましょう。
具体的な損益分岐点の計算方法
まず損益分岐点の売上の状態は、
どのような状態を示すのでしょうか?
さきほど出てきた図から、
売上= 経費 = 固定費 + 変動費
の状態だとわかります。
つまり、
損益分岐点の売上は利益が0の状態
です。
これを踏まえた上で、
この損益分岐点の売上がいくらか
を計算する方法を考えます。
まず、
損益分岐点の売上=経費=固定費+変動費
であるので、
固定費+変動費は売上の100%になります。
ここで大切になるのが変動費です。
なぜなら変動費は売上の上下によって
変化するからです。
売上に対する変動費の割合である
変動費率を出します。
この変動比率は、
変動費率 = 変動費 ÷ 売上
で計算することができます。
そうなると、
残りの固定費をどれだけ使えるか?
がポイントになります。
ここで計算は、
率とは書いていますが%計算でなく、
小数点計算にします。
60%なら0.6です。
例えば、
変動費率が0.6なら残り0.4を
固定費として使うことができます。
固定費が0.4なら、
売上は1ですから、
固定費:0.4 = 損益分岐の売上 : 1
になり、
損益分岐の売上 = 固定費 ÷ 0.4
になります。
※ 割合の式の計算:外項と内項の積は等しい
だから一般的に、
損益分岐点 = 固定費 ÷ (1 ー 変動費 ÷ 売上 )
と示されるのです。
![数値分析・検証](https://cafeouen.com/wp-content/uploads/2021/07/4942931_s.jpg)
便利な時代です(笑)
画像はイメージ(写真ACより)
損益分岐点の売上を簡易的に知る方法
今までカフェが儲かるための
損益分岐点の出し方について
詳しく説明してきました。
が、損益分岐点の売上を
簡易的に知る方法があります。
その方法とは、
家賃 ✕ 10 の数字が売上よりも
高ければ儲かっていますし、
低ければほぼ儲かっていません。
つまり、
家賃10万なら売上は100万ないと
儲からないということです。
儲かるためには、
家賃10万なら月商100万を目指す
ことが儲かるための第1歩です。
しかしこの数値は、
かなりざっくりとした見方なので、
上記の計算方法を身に着けましょう。
![カフェ売上アップ](https://cafeouen.com/wp-content/uploads/2020/10/3815c0281893ba8f6e6fee53fa9bc6b0.jpg)
1日でも早く損益分岐点の売上を越えよ
今までいろいろと
難しい計算を示してきましたが、
実際にどんな行動をしたらよい
のでしょうか?
儲かる=利益を出すには、
大きく分けて2つの方法があります。
その2つの方法とは、
です。
ところが先に述べてきたように、
損益分岐点の売上に達しないと、
なかなか利益は出ません。
つまり、
なるべく早く損益分岐点の売上に
達することです。
これが最優先のポイントです。
だからこそ私はコンサル時に、
売上アップを最優先に考えるよう
指導しています。
そのため、
経費コントロールの話は
最小限に留めます。
![](https://cafeouen.com/wp-content/uploads/2022/12/306437_s.jpg)
画像はイメージ(写真ACより)
もっと言えば、
経費削減ばかり考えていると、
経営が小さくなってしまいます。
例えば、
原価を安くしようとすれば、
品質を落とすことを選ぶ可能性
があります。
人件費を節約すれば
当然サービスレベルは低下する
恐れがあります。
そればかりではなく、
せっかく採用したスタッフが
シフトに入れないため辞めて
しまう恐れもあります。
集客のための広告費を削ろうとすれば、
新規客が減ることに繋がるでしょう。
ですので、
最低限の経費コントロールしか伝えない
ようにしております。
もちろん、
あまりにも問題がある場合は
指導が入ります。
まずは
お店の経費コントロールとして、
数値の目安を知っておいてください。
この数値は、
ほとんどの飲食系のコンサルタント
が伝える数値でもります。
原価30%
人件費30%
固定費30%(減価償却10%、経費10~12%、家賃10%)
利益8~10%
この数値から
著しく外れているカフェは要注意
です。
この表からわかるように、
家賃の10倍の売上が損益分岐点の売上
とも言えるのです。
まずは、
儲かるかどうかの分岐点の売上である
損益分岐点の売上に早く達しましょう。
この売上を目指して集客をし、
原価・人件費コントロールを
してください。
まずは、
経費をコントロールすることより、
損益分岐点の売上を目指しましょう。
この記事を書いている人
![稲垣 高史](https://cafeouen.com/wp-content/uploads/2019/10/IMG_0401-150x150.jpg)
- カフェコンサルタント
- コーヒー好き、カフェ好きの趣味が高じてカフェコンサルタントを始めて7年になります。このブログを読んだカフェ関係者が「これやってみよう」と思えるような売上アップや教育法を発信しております。簡単な質問は無料で対応しております^^
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