飲食店で必ず整備したい「就業規則」と「雇用契約書」
カフェを始め飲食店で、
人を雇う瞬間から
『ルール』が必要となります。
「うちはアットホームだから」
と口頭で済ませがちですが、
そこに大きな落とし穴があります。
ルールがあるからこそ、
スタッフが気持ちよく仕事が
できるのです。
今回の記事は、
人を雇う上で重要な就業規則と
雇用契約書についてその重要性
をお伝えします。
目次
飲食店に「就業規則」と「雇用契約書」が必要な理由
飲食店は人の出入りが多く、
スタッフの年齢層や働き方も
様々です。
様々だからこそ、
働く上でのルールを明文化
する必要があります。
それを怠れば、
思わぬ誤解やトラブルが
起こってしまいます。
「そんなの常識でしょ」
「そんなつもりじゃなかった」
「聞いていません」
このような言葉たちに
象徴されるように行き違いが、
行き違いが生じてしまいます。
その結果、
スタッフとの信頼関係を壊し、
最悪の場合、労働問題に発展
することになるのです。
就業規則や雇用契約書は、
そのようなトラブルを防ぐ
お店を守る仕組みです。
10人以上のスタッフを雇う店舗は、
労働基準法により就業規則の作成
と届出が義務化されています。
しかし私からすれば、
人を雇う瞬間から整備しておいて
損はないと思います。
スタッフが安心して働くために、
「ルールを明文化しておくこと」
はとても重要なのです。

大切ですよね
画像はイメージ(写真ACより)
「就業規則」と「雇用契約書」、そして「ストアルール」の違い
就業規則や雇用契約書の話を
する前にそれに似たようなもの
が存在します。
どういうものか
把握しておきましょう。
就業規則とは
就業規則とはお店全体の働き方を
定めた法的なルールブックです。
勤務時間、休憩、休日、有給、
服務規律、懲戒処分など、
全員が共通して守るべき事項を
明文化します。
これは労働基準法に準じた
『公式なルール』なのです。
雇用契約書とは
雇用契約書は、
個々のスタッフとお店の間で
結ぶ契約書です。
時給や勤務日数、雇用期間、
交通費など、個人に関する
取り決めが記載されます。
雇用者と労働者が
労働条件に合意した証明に
両者の署名と捺印がされます。
ストアルール
もう1つ忘れてならないのが、
ストアルールです。
ストアルールは就業規則の様な
法律上の文書ではなく、
お店の文化と運営方針を示す
ガイドラインです。
例えば
- 制服に着替える場所は〇〇
- 休憩する場所は〇〇
- お客様が入店したらあいさつをする
- ピアスはキャッチ式のものに限る
などお店で働く上で守るべき
マナーやスタイルを示します。
つまりストアルールは、
スタッフの行動基準を揃えるための
お店の約束事です。
就業規則が
「法律を守るためのルール」
だとすれば、
ストアルールは
「お客様に愛されるためのルール」
とも言えるのです。

就業規則がないことで起こるトラブル
就業規則がないために
飲食店で起こったトラブルを
いくつかご紹介します。
このトラブルの事例は、
実際に私が見たトラブル
でもあります。
- 勤務時間や残業代の認識違い
「閉店作業も勤務時間に含まれると思っていた」
「まかない時間は休憩じゃないと思っていた」など。 - シフトの強制や欠勤対応
「急な休みを断られた」
「代わりがいないから来いと言われた」
といったケース。 - 退職や解雇時のもめ事
「急にシフトを外された」
「退職届を出したのに給料が出ない」など。
就業規則がなければ、
これらの問題が起こる可能性が
あります。
「誰が正しいか」というよりも
「言った・言わない」の争いに
なるのが特徴です。
もめれば、
経営者が損をすることが多い
ことが現実なのです。
裏を返せば、
就業規則があれば双方が納得し
回避できた問題でもあります。

雇用契約書を交わさないリスク
「短期バイトだから」
「知り合いだから」
といって契約書を交わさないまま
働かせることはお勧めできません。
例えば、
「聞いていた労働条件と違う」
など時給や勤務時間について、
スタッフともめたとしましょう。
このときに、
雇用契約書がなければ、
経営者側が不利になります。
最悪、
労働基準監督署から指導を
受けることもあります。
また雇用契約書がなければ、
スタッフも不安を感じながら
働くことになります。
結果離職にもつながります。
雇用契約書は
「経営者を守る書類」
であると同時に
「スタッフを安心させる書類」
でもあるのです。
就業規則・雇用契約書を整備するメリット
ルールを整えることは、
縛ること”ではなく守ること
だと言えます。
以下の3つのメリットがあります。
スタッフが安心して働くことができる
ルールが明確であれば、
スタッフは安心して働けます。
「どうしたら評価されるか」
「何をしてはいけないか」
が明確になり信頼関係が築けます。
経営判断がブレクなくなる
問題が起きたとき、
感情ではなくルールに基づいて
判断できるようになります。
これにより、
スタッフによっての評価の
不公平感も防ぐことができます。
お店のブランド価値が上がる
ルールの整った職場は、
安心して働けると評判が立ちやすく、
採用にも良い影響を与えます。
結果として、
離職率が下がり経営が安定します。

就業規則はプロに任せるのがベスト
実際に就業規則や雇用契約書
を作るにはどのような内容で
作成すれば良いのでしょうか?
はっきり言います。
プロに任せたほうが良いです。
とても自分で作れるものでは
ありません。
作ろうと思えば、
作れないこともありませんが
プロに任せるべきです。
就業規則は、
法的な要件や労働基準法に関する
知識が求められます。
10人以上スタッフを雇用している
場合は労働基準監督署への届出も
必要となります。
誤った内容で提出すると、
後々のトラブルにつながること
もあります。
だからこそ、
専門家である社会保険労務士に
相談して作成・整備することを
私としては強くお勧めします。
ルールを整えることは、
「人を守り、お店を守る」ことです。
是非ないお店は作成してください。
この記事を書いている人

- カフェコンサルタント
- コーヒー好き、カフェ好きの趣味が高じてカフェコンサルタントを始めて7年になります。このブログを読んだカフェ関係者が「これやってみよう」と思えるような売上アップや教育法を発信しております。簡単な質問は無料で対応しております^^
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