カフェで人件費をコントロールする基本的な考え方とその重要性

2022年12月2日リライト

カフェの利益に直結する人件費。

人件費のコントロールに
悩んでいるオーナー店長も多い
のではないでしょうか?

  • 売れる日に合わせると人件費オーバーになる
  • 売れない日に限ってスタッフのシフト希望が集まる
  • シフト希望に沿わないとスタッフが辞めてしまう

悩みは尽きません。

今回の記事では、
売上を獲るための適正な人件費率と
そのコントロールの仕方について
解説します。

人件費をコントロールするのが難しい理由

人件費をコントロールすることは
永遠の経営課題であり難しいと思っている
経営者や店長も多いのではないでしょうか?

今の時代、
どこの地域も最低労働賃金も上がり、
しかも働き方改革でロングシフトがNG。

悩みは尽きません。

人件費を少なくしすぎれば、
必要人数がいなくなりQCS低下に
つながります。

またコントロールが甘く、
過剰にかけてしまえば、
店舗の利益を圧迫してしまいます。

画像はイメージ(写真ACより)

人件費率のお店の基準を設定する

人件費をコントロールする
と言っても具体的な数値目標がないと、
コントロールできません。

まずは人件費関連の把握する数値
について知っておきましょう。

人件費の基本的な考え方

把握したい人件費関連の数値

人件費率とは、
売上における人件費の割合
になります。

私たち飲食業界において、
人件費率は30%に抑える
が定石になっています。

ここで問題なのが、
社員人件費とパート人件費は
基本別に考えます。

なぜなら、
社員人件費は固定(変わらない)ですが
パート人件費は変動します。

人件費が上昇するほとんどの理由は、
パート人件費をコントロールできない
からです。

人件費と労働時間算出のケーススタディ

実際に数値の出し方について、
以下の店舗のケースで考えてみましょう。

さて、問題です。

このカフェが人件費をコントロール
するには毎日パートさんを何時間
使うことができるでしょうか?

600万 × 30% = 180万
上記より社員人件費を引いた180-60=120万
が使える人件費となります。

更に…
パートさんの平均時給は1000円だから、

1,200,000 ÷ 1,000 = 1,200時間

が実際に使えるパートさんの時間になります。

1ヶ月を30日だったとして、
1,200 ÷ 30日 で1日あたり40時間
使えるということがわかります。

あとはこの40時間を
どの時間帯に割り振るのかを考え、
基本シフトを作成します。

もちろん、
オープン時間やクローズ時間、
仕込みの時間

更には平日と土日の売上差を
加味して1日あたりのスタッフを
入れる時間を算出します。

人件費コントロールは基本シフトが全て

上記のケーススタディの様に、
自店舗の売上目標から使える労働時間を
算出して基本シフトを作成します。

この基本シフトに則って、
社員やアルバイトを入れていけば、
人件費オーバーになることはありません!

人件費コントロールができない
ということは、

  • 基本シフトがない
  • 基本シフトが間違っている

のどちらかです。

基本シフトの考え方については、
以前の記事で詳しく解説しています。
そちらをご参照ください。

人件費を下げることの重要性

人件費を下げるためには、
スタッフの労働時間を抑える
しか方法しかありません。

しかしやみくもに労働時間を減らすと、

  • 少ない人数で対応するためお客様に迷惑をかける
  • 少ない人数で対応するため特定のスタッフへの負担が増す
  • オーナーや店長のシフトに入る時間が増加する

になります。
となればそれぞれ、

  • 顧客の不満につながり客数及び売上低下
  • スタッフの不満ひいては離職
  • オーナー・店長が本来の業務ができない

ことになります。

では具体的にどうすれば、
上記3つを防ぎながら人件費を抑える
方法をお伝えします。

オーナー店長がオペレーションばかり入っていても…
画像はイメージ(写真ACより)

具体的な人件費を抑える方法

具体的にスタッフの総労働時間を
抑えるためにはどのような方法が
あるでしょうか?

・スタッフを教育して生産性を向上する
トレーニング時間の短縮のためにマニュアルや手順書を整備する
・開店業務、閉店業務、仕込みなど非生産時間を短縮する
システム化できるものはシステム化する
 ※オーダーシステム、予約システム、コーヒーマシン、ウェブなど
・スタッフが動きやすい厨房レイアウトに変更する
・スタート時給、昇給、手当の見直し

があります。上記の中でも重要なのが、
「スタッフの生産性の向上」
「システムを活用する」
ことです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

スタッフの生産性を向上させる

スタッフを教育して育成し、
スタッフ一人当たりの生産性の向上
を目指します。

今までお昼のピークを5人で対応して
いたのを4人でも余裕で対応できる状態
にすることです。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

システムを活用する

もちろん、導入時に投資が必要なもの
もあります。

今の時代様々なカフェで使えるITツールが
たくさんあり、無料のものもあります。
どんどん活用しましょう。

キャッシュレス化することで
レジ締め作業の短縮が図れるため、
特にお勧めします。

詳しくは

また、上記に関連して、
一部作業を専門の業者に依頼する
こともできます。例えば、

  • 棚卸し専門の会社
  • 閉店後の清掃業者
  • 業者に仕込んでもらってから納品

などこれらを使っても
総労働時間数を削減できます。

閉店後の清掃業者
閉店後の清掃作業をやってくれる専門業者もありますよ
画像はイメージ(写真ACより)

人件費は年間でコントロールせよ

人件費をコントロールすると聞くと、
1日1日で考えなければならないと
考える人が多いです。

考え方としては、
年間で数値コントロールをする
ようにしてください。

そう考える理由は簡単です。
5月の様にスタッフを沢山採用して、
育成する時期であれば、
当然人件費率がアップします。

この時期に人件費は使えないから、
と言って採用・トレーニングを
しなければ1年中スタッフ不足に
なってしまいます。

逆に、8月や12月のように、
売上が高くなる月は人件費率は
下げることができます。

つまり、
計画性を以て年間トータルで
コントロールすることが大切
なのです。

このように書くと、
「なんだ毎日はコントロールしなくて良いんだ」
と考える方がいます。

毎日の人件費関連の数値の把握が基本
です。
営業日報や売上管理表やシフト表での
毎日の管理は忘れないでください。

シフト表と人件費管理表
シフト表と人件費管理表

人件費コントロールが利益を生み出す鍵

カフェの利益に大きく関わる
2大変動費のうちの1つ人件費。
(あとの1つは原価

ただ下げようとすれば、
お客様に迷惑をかけることになり、
たちまち売上は下がります。

このブログで伝えたように、
一番は生産性を向上させること
です。

どんどん最低賃金が上がって行き、
人件費も膨れている可能性ある現代。

システムなど上手に活用して、
人件費のコントロールをしてください。

この記事を書いている人

稲垣 高史
稲垣 高史カフェコンサルタント
コーヒー好き、カフェ好きの趣味が高じてカフェコンサルタントを始めて7年になります。このブログを読んだカフェ関係者が「これやってみよう」と思えるような売上アップや教育法を発信しております。簡単な質問は無料で対応しております^^

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